幼稚園と母

ここ数日間(いや、一週間弱になる)、”よいお母さん”になるために、あることに熱中していた。

小さなぼくちんが急遽今週から近くの幼稚園に入園できることになり、そのための準備に追われていたのだ。

と言ってもその準備がこれまた半端ない!

これまでお兄ちんはフランスの幼稚園とイギリスの学校と、どちらもほとんど手ぶらで通っていたので、特に学校に入るために何か準備をしたものもなければ、毎日持ち物チェックをしたこともない。さすがに自分の持ち物(持ち物といっても特に何もないので、身につけているものと言った方が正しい)には名前をつけましょう、ということはどちらの国でも言われていたので、名前くらいは書いていたけれど、それくらい。上履きもなければ、体操服やら手提げかばん、お着替え袋なんて言ったものはない。

というような環境で来ていたので、幼稚園から手渡された入園準備のリストを見て、目が点。そしてすぐさま我に返り、”どうしよ、どうしよー!!!!”の焦り、ストレス、ほとんどパニック状態!

え、え〜!!

「ご家庭で手作りしていただくもの」リストに10個もの品があるではないか!!!それを1週間後までにすべて揃えなければならないということ?!しかも、ミシンというものはうちにはないし、最後にミシンに触ったのは20年以上も前のこと。

さらに、そもそもまだ越して来たばかりで、どこで生地が購入できるかもわからない。

う〜、日本に来てからある意味、初めて壁にぶち当たった気分。

幼稚園がそんな感じだ、というのは知っていたつもりではあった。自分も幼稚園に通っていたときは母の手作り手提げなどを使っていた。幼稚園児に子供がいる友人たちからもそんな話はちょこちょこ耳にしていた。とは言え、自分の幼稚園時代からはもうすでに35年近く経っているわけだし、今はいたるところでよくできた既製品が手に入る。しかも、働く母も増えたわけだし、一家に一台ミシンがある時代でもなくなっている。

こんなに時代は変わっているのに、なぜ手作りを強要する?!とまるでパワハラでもされたような気分に陥りながらも、いやいや、ここでちゃんとしたものを作っていかないと、母親失格なんじゃないか、”よい母”になるためにはこの関門を乗り越えないといけないんじゃないか、とだんだんと思えてくる。

いや、そんなことを悶々と考えてる暇もない。早くどうにかして作らねば!もしくはオンラインですでに出来上がっている手作りのものを買うか?!とはいえ、幼稚園オリジナルなものもいくつかある。サイズの指定があり、時にはミリ単位まで決まっていたりする。となるとやはりミシンを入手して自分で作るのが一番早いのでは、という気になってきた。

そんなとき、ちょうど比較的近くに住む心の友の姿が脳裏に浮かんで来た。

よし電話をしてみよう!器用な彼女なら自分の子供たちの幼稚園グッズを作っているに違いない!ミシンを借りれるか聞いてみよう!と思いつき、即電話。やはり、ミシンは持っているし、しかも貸してくれる、しかも車で運んで来てくれるとのこと!きゃ〜、女神❤️ まさにママンの救世主!

そういうわけで、先週はず〜っと生地屋さん往復とミシン奮闘であっという間に終わってしまった。公園に行きたい小さなぼくちんを無理やりなだめ、ママンが裁縫している間は、強制的にうちで一人遊び。子供たちが寝てからも夜中までミシンをカタカタカタカタ(実は中毒かと思えるくらいはまってしまっていた笑)。

ついに何ともかわいい(自画自賛(笑))手提げやら、防災頭巾、お着替え袋諸々が完成した!

超満足な母!やっとママンも歴とした日本人の”よいお母さん”になれるか?!

ところが、小さなぼくちん、ママンが一生懸命youtubeを見ながら作成した手提げかばんを見て、”何で作ったの?ぼく、かわいい新幹線の(随分前に購入した既製品のバッグ)があるじゃん。そっちの方がいい!”と一言。

チーン(涙)。

子供は多分、それがお母さんが作ったものだろうが、既製品だろうがあまり気にしていないんじゃないかと思えてくる。日本ではおそらくお母さんが手作りしてあげることが愛情表現と認識されている気がするけれど、実は単なる母親の自己満足かとも思えてくる(涙)。

というわけで、我が心の友様さまのおかげで、今朝は安心して小さなぼくちんと幼稚園の門を通り抜けることができた。心からどうもありがとう❤️

いやはや、ある意味カルチャーショックでもあり、とてもよい社会勉強になった。現在、世の中はすごい勢いで変化しているのに、数十年前から何一つ変わらない幼稚園の姿。昭和のよき日本がそのまま反映されていて、心温まると同時に、働いている母たちは一体どうしているのだろうか、赤ちゃんのいる母たちはどのように時間を確保しているのだろうか、みんなこのためにミシンを購入するのだろうか、果たしてどれくらいの母がこの積もる課題にハッピーに立ち向かっているのだろうか、と色々と考えさせられた。

これからは週数回のお弁当作りも始まる。そのうちママンも超凝ったキャラ弁なんかを作り始めるのだろうか。夫がそんな妻の姿を見てある意味心配している(笑)。

 

 


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