これから数回に渡って、パリとロンドンでの生活で学んだことを備忘録も含め、回想しながら書いてみようと思う。

まずはパリの生活で学んだこと。

一番大きなことと言えば、”人生を楽しむ”ということ。

これについては、もの心ついてからのママンのテーマだったので、幸運にもいつどんな環境においても大抵楽しんで生活していくことができたように思うけれど、パリでの一撃は大きかった!

楽しみ方が日本でのそれとは違う!

日本ではショッピングをしたり、友達と美味しいものを食べに行ったり、というのがその楽しみ方の王道で、お金がかかる(をかけるのか?!)ことが楽しみのベースになっていた気がする。

ところが、フランスではお金をかけない”楽しみ”がそこらに溢れている。例えば、友達と会う時は公園を散歩、カフェでお茶、スーパーで買った食料を持ち寄ってピクニック。もしくアートの展示会に行ったり、街をふらふら、時々ストリートミュージックを聴いたり。また、週末の夜は友人宅でフェット(パーティー)をしたり、ディナーにお招きされたり。。。

ママンはパリで働いていた頃、週の半分は、仕事帰りにダンスのレッスン(とても安く、もしくは無料で習える場所があるのだ!)に通っていた。そして夏の時期は、セーヌ川の畔で夕方から開催されるフリーダンス(無料でロックンロールやサルサ、タンゴを踊れるスペースがある)に夢中になっていた。日中の仕事と、夕方から夜にかけてのダンスと、何だか日々2つのライフを生きているような感覚だった(笑)。しかも踊るたびに”究極な幸せ”を感じながら🎵

また、パリには街をあげての音楽のイベント(街の至るところでライブの演奏が催される)があったり、夏の時期はアウトドアシネマがあったり、同じ建物に住む人たちと交流しましょう会(ご近所祭り)があったり、とまあ、様々な楽しげなイベントがあるのです。

そしてまた、新しい人々と出会う機会も多い。

というのは、家でフェット(パーティー)を行う時は、主催者が自分の友人をそれぞれ招待するので、主催者の友人同士が知り合えるのだ。また、こういったフェットやディナー等、パートナーがいる人たちは必ずパートナーと一緒に参加する。なので、”楽しみ”や”友人”をパートナーと共有することができるのだ。

しかも、これらの”楽しみ”は若い人たちに限った話ではない。子供のいる世代や、おじいちゃんおばあちゃんも、老若男女問わず、みんながそれぞれのやり方で楽しみを享受しているのだ。

ママンが渡仏当初、間借りをしていた家のおばあちゃんも、毎週末、おばあちゃん友達と夜遊びに出かけていた。コンサートへ行ったり、劇を見にいったり、外食したり。。。街をあげての音楽祭などにも必ず足を運んでいた。

そしてまた、定年退職をしているにもかかわらず、夏前には必ず、”今年の夏はどこへバカンスに行こうかしら?”と言いながら、海辺のホテルを1週間ほど予約し、バカンスの準備をしていた。時には一人で行くこともあれば、友達と行っていることもあった。

そんなおばあちゃんを見ながらママンはいつも、素敵❤️って思っていたのだ。

 

そんなフランス人たち、もちろん食を堪能することだって忘れない。

週末は、友人同士でランチやディナーのため家に招待したりされたりする。もちろん子供のいる家庭は子供たちも一緒に!

また日曜日は朝マルシェで買って来た食材を使って料理をし、家族、親戚等が集まってみんなで食卓を囲み、おいしいワインとおいしいお料理をいただく。夏場は庭やテラスのテーブルで。

パリ在住当時、何度か南仏に行ったことがあるのだけれど、南仏の家庭料理をお庭でいただいた際の、”究極の幸せ”感は今でも忘れられない。

石造りの家のキッチンのオーブンからお肉の焼ける美味しい香り。ラベンダーの香る庭でテーブルテニスを楽しみながらお料理がサーブされるのを待つ。ろうそくの灯されたテーブルをみんなで囲い、ワイン片手に、色とりどりの野菜と肉料理をいただく幸せ。

 

というわけで、フランス人たちはお金をかけずに人生を楽しむ方法をよく知っているな、と日々感心しながら暮らしていた。

そしてまた、これまた有名な話ではあるけれど、フランスでは年間少なくとも5週間のバカンス(有給休暇)を取得することができ、夏の間は3週間ほど使って海や山へ行くのが一般的。そして真っ黒に日焼けしてパリへ戻り、9月初期はどこもバカンスの話で盛り上がるのだ。

バカンス中は何をしているかというと、たいしたことはしていない。滞在型のバカンスを過ごすのが一般的なので、海辺でひたすら日焼け、読書、昼寝をしたり、時々泳いだり、街をお散歩したり、ボートで周遊したり、とまあそんな風にゆったりとした時間を堪能するわけだ。こうして大いにリフレッシュをして仕事に戻る。

また、大人たちは時々子供を家族やシッターに預けて夜のデートに出かけたりもする。映画を見に行ったり、シアター、コンサートに行ったり、友人たちと飲みに行ったり。。。

実に人生を謳歌しているように見えるのだ。

ママンは人生の意義はハッピーであること、と思っているので、フランス人のこうした生き方はとても好きだなー、と思う。

それぞれが我慢をしたり無理したりせず、自分たちが楽しめるかたちを求め実行しているから、他人の”楽しみ”にも寛容になれる。

そして上記にあるように、フランスでは楽しむこととお金をかけることが必ずしも比例しない。これは心からフランスの素晴らしいところだと思う。

人生を楽しむこと、楽しみを味わうことは、社会的地位や背景に関係無くすべての人に与えられた権利だと思うのです。なのでどんな人でも楽しむことができる、楽しいことをするためのハードルが低い、というのはとてもありがたいことだし、ルーティン化した日常生活の中から楽しむ方法を見出すことに、フランス人はやはり長けているのかなあ、と思ったりする。

そもそも彼らにとっては”楽しむ”こと、というのは自然なことであって、当たり前のことであるだけなのかもしれないけれど。

この”人生を楽しむ”、”シンプルに楽しむ”、ということを肌で感じることができたのはフランス生活から得た大きな果実であったと思う。

何だか書きながら懐かしくなってきた!

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