今日は海外で働いた経験から、海外で働くとはどういうことなのか書いてみようと思う!

”海外で働く”というと、”かっこいい!”、とか”憧れ!”のような言葉を頂くことが多い。実際、海外で仕事をすることに憧れる人も多いと思う。

もちろん、ママンも海外での仕事に憧れていた。

確かに海外で働くことは、日本にいては体験できない様々なことを学ぶチャンスだ。

それこそ、その都市での労働市場はどんな感じなのか、どんな分野での求人が多いのか、どんなスキルのある人を求めているのか、ということを知ることから始まり、その国での働き方、労働条件、外国人(そこでは私たちが外国人だけど笑)の上司、同僚を持つとはどんな感じなのか、などなど、仕事内容以外に学ぶことが山とある。

なので確実に貴重な体験ではあるし、その過程は山あり谷ありである可能性が高いけれど、それもひっくるめて面白い体験である。

しかもこういった体験は”ローカル”(会社の都合で海外に異動となるのではなく、自分でビザをとり、自分で現地に赴き仕事を見つける場合)ならではの体験で、駐在員の場合はまた違った種類の経験があるのではと思う。

さて、ではパリ、ロンドンで働いた経験から何を学んだかというと、結局日本人であるという付加価値が活かせる仕事に就くことしかできない(ほとんどの場合。例外もあるかもしれないけど)、ということ。

どういうことかと言うと、海外において”日本語”を付加価値とした仕事というのは、つまり、現地での言葉がきちんとできた上で、さらに”世界共通言語”とされるビジネス英語ができることが前提に、日本語と日本文化がわかり、日本から駐在で来るマネージャーたちの語学や業務のサポートをする、といった仕事の求人が一番多くある。つまり、秘書業務やアシスタント業務といったマネージャーのサポート的な仕事がその求人のほとんどなのだ(企業での仕事に関しては)。

パリで人材紹介の仕事をしていたときに、多くのクライエントの日本人男性マネジャーたちは(日本から派遣された駐在員)、求める人物像として、”アシスタントなのだから、若めの女性で気配りができ、素直にサポートしてくれる人がいいな”というようなことをおっしゃっていた。

やはり、重要なポジションやマネージメントレベルのポジションは通常、日本の本社から社員を派遣することが多い。なので、基本的には、”ローカル”採用はアシスタントレベルがほとんどなのだ。

もちろん、近年、どこの会社もコストカットを大々的にしているので、日本から社員を派遣するのではなく、できるだけ現地で人を見つけよう、という動きになってきているようにも見える。けれども、やはり日系の会社ではほとんどの場合、マネージメントは本社から派遣された日本人だし、運良く(悪く?!)現地の会社で採用されたとしても、逆に日本で育った日本人である場合は、やはり現地人にはかなわないのだ。これは例え仕事ができたとしても、やはりネイティブではない、というのは大きなハンデになるし、通常、人は、外国人よりも自国の人に対する信頼感の方が大きい。なので、やはりマネージメントのポジションには現地人をおくことが多い。

また、特にフランスの場合は、労働者がかなり守られているので、そう簡単には解雇することができない。となると、一旦ポジションを手に入れると、自分がやめさえしなければ、ある意味ずっとしがみつく(というか無理矢理しがみつかなくても、居残れる!)ことができるのだ。

ということもあり、会社側は、人を雇用するのにかな〜り慎重なのだ(もちろん人を雇うコストも高い!)

そしてまた景気が停滞しているということもあり、労働市場も停滞。

仕事がある人たちは、労働市場に出ても求人がないことがわかっているから、仕事をやめない。となると、なかなかポジションがあかない、新規も少ない、要は仕事がないのだ!

一方ロンドンは、景気もそこそこよいし、それほど労働者が守られているわけでもなく、また法人税やコストもパリに比べて低いので、労働市場は割と活発だ。

海外で仕事をするにはロンドンには割とよいopportunityが転がっているかもしれない。

労働市場が活発なので、現職がある人でも、辞めることをそれほど躊躇しない。またフランスと違い、解雇も全くめずらしくはない(金融の場合は日常茶飯事)。なので、労働市場はよくも悪くもダイナミックなのだ。

とはいえ、これまたパリと同様、やはり日本人であること、からは逃れられない。つまり、日本人のための求人から探さないと、職に就ける可能性は愕然と低くなる。となると、そもそも選べる選択肢ががくんと減る。むしろ、採用いただいた会社で頑張ってみる!といったのが現実的だ。

そしてめでたく日本人である付加価値を売り就職できたとしても、入社した途端、その会社の、日本以上に超閉鎖的で陰険な会社文化に頭を悩ます友人たちもちらほら。

海外生活が長くなるにつれ、気づかぬうちに現地人化することもある。だからこそ、”超日本的な閉鎖感”というのはあまり心地よく感じられなくなる可能性が高いし、そこに適応するのは、時として心の病をきたすほど至難の技なのだ。

また、例え日本人であることを付加価値としない職につけたとしても、その後は熾烈な戦いが待っている可能性が高い。というのは、やはりネイティブには敵わないからだ。何かの専門分野のスペシャリスである場合はまた違うかもしれないけれど、そうだとしても、やはりマネージャーレベルになると現地の人でないと任せられない、となるのだ。

もちろん例外もある。

また、ママンのように小さな会社(パリ)で働く場合は、逆に様々な業務に携わらせてもらえて大変実りある体験をさせてもらうこともあるかもしれない。

またある程度の規模のある会社にアシスタントとして入社し、そのうち別の部署に異動になったり、専門分野が確立され、その道のトップになることもできるかもしれない。

なので、絶対にこうだ!という言い方はできないけれど、”海外で働くこと”というのは、おそらく巷の華やかなイメージよりは、過酷でフラストレーションの溜まることも多々あるのでは、と思ったりもする。ホリデーがきちんと5週間(フランスもイギリスも)取れるのは最高にありがたく嬉しいことだけどね❤️

どちらにしろ、どんな人生経験も財産!なので、海外で働くことを考えている方々、もちろん是非トライをしてみたらよい思う。その中で、自分なりに色々なことを発見し、感じ、解釈することが大切なんではないかと思う!

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