先日、久々に夫と10年程前の写真を見て当時を懐かしんだ。

当然のことながら、二人とも、”若い”!

くったくのない笑顔にピチピチした肌の質感。未来への心配や子供を育てることの責任などとは縁のない、まさに今そのときを精一杯楽しんで生きているといった”ピュア”な表情。

最近撮った写真に写る自分の顔、そして表情とは明らかに違う。

認めたくないけれど(笑)、やはり歳をとったのだ。

35歳頃になるまでは、あまりアンチエイジングの対策をしていなかったし、そんなことをあまり考えてもいなかった。どこかで、「まだまだ若いもん!」とある種の現実逃避をしていたのだ。

ところが、やはり35歳辺りを過ぎた頃から、何かが自分の中で変わっていることに気がついた、というか気がつかざるを得ないくらい、日々水面下で変わりつつあったことが表面化したのだと思う。

パリ勤務時代、当時20代後半であったママンは、会社の先輩に「35歳を境に変わるよー!」と脅されて(笑)いましたが、おっしゃる通り!

というわけで、そんな”歳をとってしまった”自分に悲しくなりながら、”アンチエイジング”と書いた基礎化粧品をネットで眺めていると、横から夫がニタニタしながら、

”時間(歳)と戦うのは止めなよ。最初から負けが見えている戦いに挑むようなものだ”、と言うのです。絶対に勝てない戦いに挑んでも意味がない、と。

そして、"Je t'aime comme tu es"、”そのままの君が好き”、と❤️

きゃん❤️何ともありがたいお言葉(すみません、のろけ〜笑)。

こんな風に優しいお言葉をかけてくれる夫がいることに深い幸せを感じたのと同時に、実はこれ、とってもフレンチな発言?!と思ったのです。

 

確かに時間を止めることも、遡ることもできない。時は着々と流れていくのだ。ということは、歳も着々と重ねていくということ。

もがいて、もがいて、見た目年齢の加齢を遅らせることはできるかもしれないけれど、それもまた時間の問題。生きていれば、結局は”歳をとる”のだ。

それならば、歳をとることと戦う(逆らう)のではなく、その自然の摂理を受け入れ、うまく共存していけばいいではないか、と。

確かに、一般的にフランス女性はやはり、自然に、美しく、官能的に、そして上品に歳を重ねていく人が多いように思う。これはきっと”歳をとる”という自然の摂理を受け入れているからなんじゃないかと思う。

人生経験により、若い頃にはなかった味わい深く美しい表情をまとって来たのかもしれない。若い人には出せないであろう官能的な大人の色気や品が醸し出されて来たのかもしれない。また、若い時にはツンツンした表情だった人でも、歳とともに穏やかな仏のような顔つきになることもあるかもしれない。

もちろんフランスでもアンチエイジングの商品は多く市場に出ているけれど、自然に歳をとること、そして歳相応の美しさがより尊重されているように思う。そして男性陣は美しく歳を重ねている熟女が好きだ。”美しい”イコール”若い”ではないのだ。

一方イギリスでは、エイジングと戦っている人が多いようで、ボトックスやら厚化粧やらで、かえって痛々しく見えてしまう女性が結構いるようにも見えた(失礼!)。

実は昨年日本に帰国してから、あまりにアンチエイジングに関する雑誌記事やテレビ番組、広告、商品紹介などが多くあることに違和感を覚えていた。特に日本では、女性に関しては”若い”ということが重宝され、一定の年齢を超えると、”女性”としてではなく、”おばさん”として扱われたりする。モデルや芸能人などが、”劣化した”といった何とも品のない言葉で批判されている記事をいくつか読んで、驚きとともに、加齢に対する許容のなさに、恐ろしささえ覚えた。

誰だって歳をとることを前提に、美しく、その人の魅力が最大限に発揮されるような形で、年齢とうまく調和しながら、歳を重ねることをもっと奨励してもいいではないか、と思うのです。

どんなにお肌がたるんだって、しわしわになったって、その人が幸せに笑っていたら、それほど美しいことはない、よね?!

結果として、女性は特に、ある一定の年齢を過ぎたら、外見ばかりを気にするのではなく、内面から醸し出される美しさ(インナービューティー)により一層の磨きをかける必要があるのかなあ、と思えて来た!

今日は女性の時代とも言うし、日本でもこれからは、ダンディーな年配男性ばかりでなく、ダンティーな年配女性が増えていくんじゃないかって期待!

年齢と仲良く手を取り合って、その年齢だからこそ、そしてその人だからこそ醸し出すことのできる美しさをまとうことが出来るのが理想❤️

 

 

 

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