12年生活した欧州を離れて、日本で再び生活を始めてから約1年。

12年前の日本と比べて何が一番変わったかって、やはり外国人が格段に増えたことだと感じる。

当時はまだまだ外国人観光客や留学生の数が少なく、政府が日本にもっと外国人を誘致しようと、観光客や留学生の数を増大させることを目標に掲げていたことを記憶している。

おそらく目標を達成したのだろう。

街中に見る外国人の数が増えたばかりか、コンビニや飲食店で働く外国籍の店員さんが爆発的に増えたような印象を受ける。

そして、グローバル化が益々進む今日の世の中、在日外国人の数も更に増え、日本国内におけるグローバル化も益々進み、もしかしたら近未来、日本もある意味欧米のような移民国家になるかもしれない。

どんなに外国人がマイノリティーであっても、総人口において、ある一定数を超えると、社会に対するそのインパクトは非常に大きくなる。これについては、Malcolm Gladwell (マルコム・グラッドウェル)が"Tipping Point"という題名の本の中で書いている(Tipping Pointというのは日本語訳すると「転換点」となる。とても面白い本なので、ご興味ある方は是非読んでみて下さい!)。

となると、かつてのような日本的な価値観(集団主義、周りとの調和を重視する、画一的、村八分、、、)や、日本的な仕事の仕方が通用しなくなる日が遅かれ早かれ来るのではないかと予想できる。

しかも一度グローバル化という名の波に乗ってしまうと、もう逆戻りはできない。

欧米諸国から日本を見て感じるのは、やはり日本は非常に”特殊”だということ。

その”特殊”な伝統・文化・人となり、哲学、メンタリティーゆえに諸外国から”クール・ジャパン”と賞賛され、多くの外国人が日本に興味を持ち、観光客も多く訪れるわけだけれど、グローバル化した世の中では、やはりグローバルなスタンダード(欧米の価値観)が採用されることになる。

世界共通語とされるのは英語だし、仕事では契約文化が採用され、同じ価値観が共有できなくなった多様化社会の中では、それに適応した個人主義が集団主義に替わって浸透してくるのではないかと思う。

となると、そんな世の中ではどんなサバイバルスキルが必要となってくるのだろうか。

英語という言葉はむしろ外国語ではなく、サバイバルに必要な、ある種自国語のような部類になるだろう。

また、多様化された価値観、グローバル化した世の中では、受動的な態度ではなく、能動的に、主体的にコミュニケーションを図っていくことが求められる。

以心伝心というのは通用しなくなり、出る杭は打たれるのではなく、出ないと沈められるという風になっていくのではないかと思う。

少なくとも、ママンの通っていたアメリカ系ビジネススクールでの日々を通してそんなことを感じていた。

また、そんな世の中では”ダイバーシティー”ほど強力なものはない気がする。多種多様な人が多種多様なスキルを発揮するほど、強力なリスク回避はないし、また、多様性、ダイバーシティーは相乗効果を生む。

ということは、個人個人が、それぞれの強みを持つことが大切なのではないかと思うのだ。

個性、特技、体験、性格、スキル。。。

これまでのように、決まった型に個人を当てはめていくような教育ではなく、それぞれの強みをさらに伸ばしていく教育。それが求められていると思うのだ。

個人の素質に合わないものを無理矢理伸ばそうとするのではなく、すでに素質があるものを開花させ、発展させる教育。それらが集合体となって強力な社会になる。

そのように考えると、世の中、もしかしたら、よい方向に向かっているのかもしれない、と思ったりもする。

国境というものが薄れ、それぞれの国の個性や文化が薄れていくのであれば、それは悲しいこと。

けれども、みんなが同じでなければならない、同じ価値観を共有しなければならない、というsocial pressure(社会的圧力)に苦しんだり違和感を覚えて海外に飛び出した人を多く知っているし、実際、その見えない圧力によって、歪みが生じている部分もある(おそらくいじめや僻みなどはその部類に入るんじゃないかと思う)。

海外に行って、もっと人間らしく生活ができると感じる人が多くいるのは、そのためなんじゃないかとも思う。

となると、いやでも様々な価値観が社会に入ってくると、”こうでなければならない”、”同一でなければならない”というのが機能しなくなり、よって、そういった見えないプレッシャーから解放されて、もっと楽に素のままで生きられるようになるのではないかと思うのだ。

またどうせ違うのだから、わざわざ違いを批判するということも意味をなさなくなる。

同時に、もっと”勝手”で”我が道”をいく人が増えれば、ブラック企業なども機能しなくなり、人、個人としての幸福度は上がるのかもしれない(笑)。

とまあ、ちょっと楽観的にグローバル化を捉えてみましたが、私たちが思っている以上にTipping Popint(転換点)が来るのは早いかもしれない。

今日主流とされる価値観とはちょっと違った目線で今後の世の中で必要とされるであろうスキル等を考えて見るのも面白い!

 

 

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