欧州でフルタイムワーキングマザーだったのに、どうして自国の日本ではしないのか

日本はここ数年、”女性活躍社会”と掲げ、保育園を増やしたり、様々な対策を練っているけれど、こうして長年に渡る欧州滞在を終え、再度日本で暮らしてみると、改めてこの環境の中、母として働くのはかなり困難だわー、と思う。

”欧州”という外国では普通にフルタイムで働けて、どうして自分の国である日本ではしないのか。

もちろん、日本に引っ越して来る前は、半年程して日本での生活に家族全員が慣れたら、普通に仕事をするつもりでいた。しかも自国で働けるとなると、外国人としてのハンデもないし、母国語だし、欧州での経験もきっと活かせるであろうし、やっと自国で自分のスキルを試せるし、社会貢献ができる!とむしろ張り切っていた。

ところが、欧州にいる頃には見えていなかったけれど、こうして日本で母として数ヶ月暮らしてみて、周りのママさんたちを観察したり話を聞いたりして、いかに日本でワーキングマザーをすることが難しいか、ということを思い知らされた。

どうしてか。

それは、日本はあらゆる場面でとても”要求”が高いからではないか、と思うのだ。

要求が高いからこそ、欧州の母たちとは比べものにならないほど、働きに出るためのハードルが高い。

何かというと、まず幼稚園や学校からの要求。

お弁当を作る必要があったり、毎日の持ち物が事細かく決められていたり、持ち帰ってくる手紙の数も半端ない。

保護者会やら学校行事も平日の日中にちょくちょくあるし、しかも保護者会は完全に母の会と化している。父が参加している保護者会は今のところ見たことがない。

また、購入をする必要があったり、家で用意しなければならない教材等がちょこちょこあり、それらを短期間に調達したり、用意したりするのも、それなりにストレスのかかること。

そう、To do listの項目が多いのだ!しかも、質も求められるという(笑)!

それから、会社からの要求。

これまた周知のごとく、かなり高い!

仕事の質はもちろんとして、長時間労働の要求。そして時間厳守の要求…。

母にとって何が一番必要かって、フレキシビリティー、柔軟でいられること。

子供というまだ半動物(幼稚園児だと、まだ半分くらいは本能のまま生きている)のような存在を扱っていると、そもそも、”きっちり”、とか、”時間通り”、とか、”予定通り”、というのが難しい。

なかなか歯磨きやお着替えをしなかったり、体調不良で朝起きてくるのが遅くなったり、ぐずぐずしていたり、もしくは突然感染症にかかって病院に連れていかなければいけなくなったり。。。

欧州で仕事をしていた頃よくあったハプニングは、朝、ママンの準備が終わり、”行ってきまーす”と子供達をハグした瞬間、彼らの鼻水がママンの服についてしまったり、ヨーグルトのついた手で触られたり。。。

ウギョー!!!ただでさえ急いでいるのにこんなタイミングで!!

と急いで別の服に着替えてダッシュで駅に向かう。。。

そんなことが何回あったことか。

という状態なので、1分1秒単位で時間に厳しい環境で働くとなると、とてもストレスフルとなるのだ。

もちろん時間厳守は大切なんだけど、子供という、まだ”人間”になりきっていないような(笑)存在を相手にしながらにして、会社という大の人間の社会に合わせなけれなならない、というのは簡単なことではないのだ。

要は、会社に勤めるということは、親が子供のペースに合わせるのではなく、子供が親のペースに合わせなければならない、ということ。

これは別に悪いことではないけれど(子供も徐々に社会性を身につける必要がある)、お互い(親と子)にとってある種のストレスとなっているのでは、と思う。

それから、休暇が少ない!その上、有給休暇を全て取得することに対するネガティブなイメージ。また、病欠は有給からひかれていくという現実…。

なので、時々有給をとって子供たちと過ごそう!とか、家族旅行に行こう!とかいう機会が少なくなってしまう。

また、パパに対する会社からの要求、パパが働きすぎるということ。パパへの会社からの要求はおそらくママ以上にすごい!

パパは会社に取られてしまうのだ!

となると、時短にするのはママだし、子供の送り迎えもママ。そして家事全般を担うのもママとなる。また、子供が風邪をひいたときもママが休むし、学校で保護者会があったらママがいく。

そんなことしてたら、それこそ有給なんてほとんど残らないのでは、と思ってしまう。

そしてまた、そもそも家事をやっている時間はあるの?

という課題がつきまとう。掃除、洗濯、買い物、料理。。。全てそれなりに時間がかかる。けれども生活していく上で、必要不可欠の作業なのだ。必ずどこかで時間を見つけてこなさなければならない。

欧州では、専業主婦の家庭ですら週2回ほどクリーナーさんを雇うのが当たり前であったほど、家事代行サービスというのは普及している。

日本では、探して見ると最近はそういったサービスも多く提供されるようになったんだー、と感じるほど広告等は見かけるけれど、実際周りを見てみると、それほど普及しているような印象は受けない。

毎日帰宅して、家がごちゃごちゃなのは不快だし、かと言って、夜に掃除や洗濯、週末にまとめて大掃除やアイロンの嵐なども出来れば避けたい。

となると、一体、平穏な日常生活は送れるのだろうか?

子供達は?鍵を預けて、ママが帰宅するまで待っていてもらうのだろうか?

もしフルタイムで働いたとしたら、そんな日常が何となく想像できてしまうので、やはり躊躇してしまうのだ。

欧州では学校や幼稚園からの要求も少ないし、会社からの要求も少ない(業務遂行や生産性に関する要求はもちろん同様)。そして柔軟性がある。また、他人の休暇や家庭の事情をもっと許容・尊重する風土がある。

また、欧州では家事代行や、ベビーシッター、アフタースクールナニー(学校のお迎えから始まり、子供達が夕食を済ませ、両親が帰宅するまでお世話してくれる人)等のサービスが充実していて、それらを利用することが当たり前だ。なので、子供が一人で留守番したり、一人で食事をする、という状況は避けられる。

欧州でも働く母はみんな慌ただしい生活をしているし、やはりそれなりに大変だ。けれども、日本ほど様々な面からの要求がないし、子供のお世話や家事のサービスが充実しているので、レス・ストレスフル(より少ないストレス)な状態で働きに出られるのだ。

おそらく多くの母たちが、”キャリアから得られる自己実現や収入”と”仕事をすることにより家庭と自分に生じるストレス”を天秤にかけた時に、ストレスの重さと、あまりの現実味のなさにキャリアを一旦諦めることを選択をするのは、自然な流れなのかもしれない。

ママンもそんな母の一人。

同時に、一旦フルタイムの仕事を始めてしまえば、後はどうにかなる、というのもわかっている。最初こそ大変であれ、そのうち家族も母がワーママになった生活のリズムにも慣れるはずだ。

ただそうなった時に、自分を含めた家族全員にかかってくる負荷を考えると、やはり必要以上に重たいのだ。

というわけで、昭和な価値観、そして制度が根強く残る現代の日本で、母が働くというのは想像以上にハードルが高い、ということで、近々、「フリーランスという選択」について書いてみようと思います。

長々とお付合いいただきありがとうございました😊


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