うちの会社は日系ではあるけれど、現地法人なので、あまり”日本”を感じない。

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社員の9割近くは非日本人だし、会社のルール、ビジネスのやり方、マナー等もほとんどイギリス式なのである。面白いことに、イギリス人からしたら、他の英系の会社とはどうやら雰囲気やコーポレートカルチャーが多少違うらしいのですが、私たち日本人から見たら、日本人であることに肩身の狭さを時として感じさせられるくらい、日本らしさを感じない。

そんなイギリスの会社で驚いたこと、3つをご紹介しようと思う。

1つ目:お祈りの部屋がある。

これはどうやらイギリスの会社ではマストであるらしいのです。というのもこの国、移民があまりに多い(ともすると移民で成り立っているのではと思わせるほど)ので、様々なカルチャー及び宗教の従業員のニーズに応えるために、そのようなルールがあると聞いた。たぶん日中に数回お祈りをすることが義務(奨励?)づけられているイスラム教信者が利用することが多いのだと思う。

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2つ目:ミーティングのスケジュールが有りえない頻度で変更する。

これには正直驚いたし、慣れるまではまるで自分がないがしろにされているようで凹んだ。うちの部では週1くらいの頻度で上司とキャッチアップミーティングをするのですが、それが動かされる、動かされる。例えば毎週水曜朝9時と決まっていても、結局、別件が入った!とのことで例えばまずは金曜日朝に動かされ、そして午後、と思ったらまたミーティング15分ほど前にメールで”ごめんなさい!また急用ができたので来週頭に動かさざるを得ないの”。と言った具合だ。毎回こんな感じで3回のリスケは普通。結局2週間に一度、もしくはそれ以下の頻度のキャッチアップミーティングになっている。それなら初めから隔週にしたらよいのに、と思うのだけど、そうでもないらしい。

上司はとても公平な人だし、理解もあり、非常にダイナミックでとても好きなのですが、ミーティングが動かされることに不慣れな私には、大切にされていない感を抱いてしまっていた。また、きちんとミーティングでキャッチアップする内容を準備しているにもかかわらず、毎回これで、もううんざり!と思うこともしばしば。時々ならともかく、毎回数回の変更は当たり前だからね。。。

そんなんで、仕事とは関係のないイギリスに長く住む友人に聞いてみたところ、それはイギリスでは普通だから気にすることないよ、と。特に上司が忙しい人の場合はそんなこと多々。きちんと謝ってくれているのであれば、悪くはない、と。

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なるほど。。。そういうものかあ。あまりに計画性がないように感じてしまうのだけど、よく言えば臨機応変にフレキシブルにそのときのニーズに対応している、ということだよね。

それから、チームミーティングも週1でカレンダーに入ってはいるものの、開催されるのは月1程度。しかも、時間は1時間あけておく必要があり(例えば10時から11時は別の用事をなるべくいれずにいること)、部長がその1時間の中で一番都合のよい時間に、”ではみなさん”!と突然チームミーティングを開始をするのである。毎回ミーティングは15分から20分で終わるのです。まるで嬢王様だと思う(笑)。私のためにチームみんなが1時間は時間を空けておき、私の始めたい時に始めるのよ!という発想なのである。

 

そして3つ目:簡単に解雇されるカルチャー

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これにも最初は衝撃を受けた。気づいたら社員が朝からいなくなったりすることがある。どうやらイギリスの金融業界では日常茶飯事らしいのですが、朝会社に来たら、突然上司に呼ばれ、解雇を言い渡され、その日はそのままパソコンにアクセスすることすら禁じられ、すぐに帰宅。その後、会社が彼・彼女の荷物をまとめて自宅に送る、という。。。何とも恐ろしい世界。

突然、普段と変わらず朝出勤したら、”今日からうちの社員ではないので、もう会社に来ないで下さい”、なんて言われた日にはどのような精神状態なのだろうか、と怖いことを想像してみるけど、どうやらイギリス人は結構慣れっこだと聞く。そんなことがあっても、すぐに次を探して、難なく次が見つかり、けろっとしているらしいのです。しかも解雇になると、多少は慰謝料的なものがもらえるらしいので、むしろ金銭的にはラッキー!となることもあるらしいのです。確かにロンドンの労働市場はとてもダイナミックだとは言え、かなりシビアな世界であると思う。少しでも会社の業績が下降気味になると、解雇政策が始まるらしく、数人がどっと解雇されたチームでは ”Who's Next?"とみんなでジョークを言い合っているらしい(笑)。やれやれ。。。何とも能天気なお方たち。

というわけで、日本の発想からはありえないようなことが普通にありえてしまうイギリスのコーポレートカルチャーでした!

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