最近、英国人の私の上司に(と言ってもたぶん、少しばかり年下だと見ている)、ママンはもっとセルフプロモーションをした方がいい!と言われた。要はもっと”自分はこんなにすごいことをしていて、こんなこともできて、あんなこともできて、”と自分をアピールし”売る”こと。
”セルフプロモーション”って?!ついに来た、アングロサクソンお得意のあれか!!
正直、一般的には私たち日本人にはあまり慣れないし、自然にはなかなかできないテク。だって、日本にいたら、あんまり、”私はこんなに有能で、こんなこともできて、あんなこともできるんです”!なんてやらないでしょ?!そんなことしたら、逆に引かれてしまうか、協調性のない人となるか、強気で何だか扱いにくい人、という風にとられてしまう傾向がある気がする。
けれどもやはりイギリスでは全く違うようだ。むしろ180度違うと言っても過言ではない。なんとなーく感じてはいたけど、ああ、やっぱりそうか!と上司の一言であまり触れないでおこうと思っていたところをつかれ、そろそろ本気出してアピールしていかねば!と重たい腰を上げようと思ったのです。
確かにこの時期は、パフォーマンスレビューといった1年間の自己評価をしなければならない時期なのだ。まずは自己評価をし、その後上司からの評価を得、すべての項目でお互いの賛同を得た上で、それを元にボーナスの金額や給与アップ及び昇格などが決まる。昨年は上司が日本人の駐在員の方だったので、自己評価は激しくよくも悪くもなく、並になるくらいにしておいたのだけど、今はチーム全員イギリス人。もちろん評価もイギリス人にしていただくわけだから、あまり謙虚な自己評価だとおそらく彼女たちからの評価も上がらないだろう。どうやら、イギリス人たちは、ここぞとばかりにかなりよい自己評価でみな自分をアピールするようなのだ。
私は自分の中で8割がた、もしくはそれ以上”これはできるな”と確信が持てないと、”できる”と断言しない。おそらく大半の日本人はそうであると思う。ところが、イギリス人を見ていると全く初心者や、”え?できてないでしょ?!”という人でもみな自信満々に ”はい、できます”!と言っている。結果としてできなかったとしても、そこはテキトーに誤魔化すか、言い訳を言うか、状況のせいにしたり、そんなことを平気でする。それでもアピール上手だから、何となく周りを ”この人すごいなあ”と思わせてしまったりするのです。ポイントはそこ!イギリスで出世をするためには、うまくアピールし、まわりに”コミュニケーション”(自分の売る)をすればよいのです。この世界で成功していくのはタスクをうまくこなす人ではなく、いかに自分がすごいかを見せられる人という印象です。
確かにビジネスの世界では必要な、そしてとても大切なスキルであると思います。
私はそういう意味では超日本的。むしろ”能ある鷹はつめを隠す”というのが美徳であると信じている。そんな私にどうセルフプロモートをしろと言うんだあ。。。
これは私の中では仕事の効率を上げたりすることよりもよっぽどハードルの高い課題なのであります。こういう部分って、きっと人格が形成される時期に少しずつ無意識的に身につけていった行動様式だと思うので、それを変えるというのは本当に大変なことであると思うのです。すごく時間をかけるか、マジシャンのようなコーチに依頼したらもしかしたら、短い期間で変わることはできるのかもしれないけど、簡単ではないと思うのです。時々、ステッキを一振りしたら、全然違う自分に変身させてくれる(もちろん中身も含めて)、そんな超クールな魔法使いがいたらいいのに、何て叶わぬ夢を見たりしてるのですが。。。はい、現実逃避です(笑)。
というわけで、イギリスという国で働いている限り、イギリス人の思考・行動様式にある程度合わせていかないといけない。そしてまた、でないと負けてしまう気がする。なので、ママン、ここはひとつ、いつもの自分とは違った自分になるように、少しばかりイギリス人に近づいてみようと、日々彼らの行動をもっとじっくりと観察し、少しずつ真似てみようと心に決めたのであります。
働きママンは、こんなことまで気にしなくてはいけないのです。女性が男性化している、っていうのもわかる気がします。