南仏での3日目は香水の街、グラースに行って来ました。
グラースは実は3回目。
学生の頃、グラースに住む父の仕事の取引先の方のお宅に招待され、地中海を見渡せるステキなお宅で夕食を御馳走になりました。
それ以来、ママンにとっては南仏、グラースの彼らのおうちが将来住みたい夢の家像。
そんなこともあり、グラースはママンにとってかつてからの夢のような街。
カラフルな家々と、地中海の青、空の青、木々の緑と色とりどりの花々。
香水産業が繁栄したのも納得です。
そんな美しく刺激的で官能的な街。
やはり記憶通りの、イメージ通りの魅力を保っていました。
とは言え、少しばかり香料について、植物原料について、そして香水についての知識を得た今見てみると、また違った観点からこの街を堪能することができ、更に魅力が高まったように感じます。
さて、今回は街の散策はせずに、ピンポイントに国際香水博物館とフラゴナールの香水工場の見学、それから、町の中心から10キロほど離れたところにある国際香水博物館の庭園に行って来ました。
まずは、香水博物館。
残念ながら半分ほどのエリアはリノベーション中だったので、香水製造の機械の見学はできなかったのですが、グラースの街の歴史、香水産業の歴史、世界の香水、香水瓶の展示を楽しみ、小さなお庭では、実際に様々な植物やエッセンシャルオイルの原料となる樹皮、枝、花、果皮等の香りを堪能することができました。
これには(というかここだけ笑!)子供たちも楽しんでいました!
ママンにとっては大変興味深い博物館でしたが、さすがに子供たちは退屈してしまったので、速やかに後にし、次はフラゴナールの香水工場見学に行って来ました。
こちらはなんと無料!
10年前にグラースに行った際にも同工場見学をしたのですが、その際は、ガイドなしにただ自分たちで回っただけ。
なので、”見た”だけで、そこに多くの意味を見出すことができませんでした。
ところが今回はちょうどタイミングが合い、ガイド付き見学をすることができました。
フラゴナールはファミリーカンパニーであること、1800年代後半にできた会社であること、現在4代目、世界各国から原料を調達していること等を学び、エッセンシャルオイル(精油)の抽出方法についての説明をいただきました。
夫や子供たちにとっては新たな領域だったのでとても興味深そうに聞いていました。
子供たちもさすがに説明付きで、更に機械を見られるというのが面白かったようで、釘付けになっていました!
これが水蒸気蒸留装置。
その後、抽出した原料を精製・貯蔵の工程、香水の処方(様々な合成香料、天然香料を混ぜて処方(レシピ)を組み、香水を作ること)についての説明があり、香水を瓶詰する工程を見学しました。
まさに社会科見学!大人も子供も楽しめる楽しい工場見学でしたー。
香水の処方を作るパフューマーになるための著名な学校は世界に4校。そのうちの2校はグラースにあるようです。
2年間の勉強、それから7年間の訓練を積み、やっと一人前のパヒューマーになれるそうです。
ガイドさんいわく、全世界にパヒューマーと呼ばれる人は2000人ほどいるようですが、そのうち世界で著名なエリートパヒューマーは約100人、”nez" (”ネ”と読み、”鼻”という意味)と呼ばれているそうです。3000程の香りを嗅ぎ分けることができ、処方を作るそうです。
化学・生物の達人でもあり、アーティストでもあるという、何ともオリジナルで魅力的で、とても難関な職業であるように思いました。
工場見学の後は、ブティックへ。
ブティックもまたスタイリッシュで素敵です。
フランス人は、やはりお洒落センスはピカイチ!と改めて感じる空間です。
どんなにカラフルで楽し気で派手でも、気品は失わず、洗練されていてスタイリッシュ。
美しい香りと美しいデザインに包まれた何ともうっとりな空間でした。
さすがに子供たちはブティックには全く興味なしなので、近くの広場で遊んでいてもらい、ママンは素敵空間とときめきグッズの物色を楽しみました💛
まだまだ後ろ髪ひかれる思いでしたが、子供たちに促され泣く泣くブティックを後にし、車で香水博物館の庭園に向かいました。
美しい南仏の景色を楽しむこと約15分。
庭園に着きました。
写真では残念ながらこの庭園の魅力は半分も伝わりませんが、心からうっとりするほど素敵な庭園でした。
人工的な美しさとは全く異次元のものなのですが、草花が自然に咲き乱れ、自然のままの美しさやかわいらしさが視界を独り占めし、まさに心が洗浄されるような、そんな気持ちになりました。
ハーブから、ラベンダーやバラ、アヤメなど、鼻で楽しむ植物が多くあり、何気に子供たちも走り回ったり、匂いを嗅いだり、ビーチチェアで休憩したり、と楽しんでいる様子でした。
こうして香りを巡るグラースでの1日が幕を閉じました。
何度行ってもまた行きたくなる街。
そういう意味ではまるでパリのような街だと感じるグラース。
何とも官能的で魅惑的な街であります。