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仏人夫から見た日本

今日は仕事でよいことがあったのか、いつも以上にウキウキ気分で帰宅した夫。

ロゼを片手に、フランスから持ち帰ったソーセージやチーズをお皿に並べアペロの準備をしている。

そして語り出した。彼から見た日本について!

これまではどちらかと言うとよい部分ばかりが目に入っていたようで、小さな日常にも大興奮したり感動していたりした夫。

最近はとういうと、”ここが変だよ、日本人” 的な部分にも大分目がいくようになって来たようだ。

まず一つ目。

やたら大人数で形成されている若い歌手グループ。

特に、ミニスカート&超ガーリーなフリフリ系ファッションの若い女子たちで形成されるグループ、そしてそれを追いかけるオタク男児たちの姿はやはり異常に見えるらしい。

自立した個人が大切にされるお国から来た人から見ると(もちろんそんな大人数の歌手グループなど存在しない。歌は一人で歌ってなんぼ、多くても4、5人の世界。そして自立した大人女子は、”かわいい❤️”と言われるよりも”素敵!”と言われる方を好む。むしろ”かわいい❤️”何て言ってしまったら中指立てられるかもしれない(笑))、やはりどこか社会の歪みに見えたりもするようだ。とは言え、こういったロリコン系のファッションや女子たちが好きな外国人男児もぼちぼちいたりするので何とも言えない。

次に、社会全体が仕事中心に、いやむしろ仕事オンリーに動いていることが”有り得ない”、そして悲しいと。

フランスでは仕事は人生の一部でしかない。

意外かもしれないが、イギリスではなおさら仕事は人生の一部。

生活の糧を得るためのもの、とみんなが認識している。生活に必要なお金、もしくはそれ以上のお金を稼いで人生を楽しむ。仕事をしてお金を稼ぐということは人生をよりよくするための手段であって、目的ではない。プライベートライフを楽しむためにお金を稼ぐ(仕事をする)のだ。

だからなのか、仕事をするときは効率よく仕事を片付け、週末やホリデーなど、遊ぶときは思いっきり遊ぶ。いや、むしろ彼らの中では金曜日の午後はもう週末モード。だからハッピーフライデーなのだ!

夫から見ると、日本人男性は特に、自分の人生を生きることを諦めているように見えるらしい。ハッピーになることを諦め、そんな仕事オンリーに生きる現状を受け入れていると。

なるほど、確かにそうかもしれない。

問題は、こうした現状が主流なので、自分の人生を大切にしようとする人にまで、そういった集団の空気が襲いかかり、飲み込んでしまうということ。プライベートライフを大切にしようとする人の”プライベート”にズケズケと足を踏み入れてくる。

これがまさに過度な残業や休日出勤などの過重労働だ。

自営業者や自分で好んで働いている場合は全く別の話だけれど、会社から半強制的に過剰に働かされているのは、欧州的感覚からすると完全に”人権侵害”になる。

そして、社会人だけでなく、子供達までもが夜遅くまで塾通いをしていて、受験の年などはクリスマスもお正月もない、という状況は相当異常に見えるようだ。

"C'est triste, la vie au japon"、”日本の生活は悲しい”と言っていた。

おっと、言ってくれるな夫くん!

そんなことはないんだよ。みんなそんな生活の中にも楽しみを見出して、時には辛い思いをしながらもそれなりに楽しく生活してるのよ、と言ってみたものの、まあ夫の観察も全く間違ってはいない。

ママンだって、物心ついたことから、そんなことを感じていたからこそ、海外での生活に興味を持ていたというのは確実にある。

どちらにしろ、バランスというのは大切だ。

人間バランスを崩すと、様々な身体の歪みや不調が出てくる。それは社会全体としても言えること。

よく、欧州にいると”人間らしく生きられる”と言っている日本人の方々がいたけれど、これも確かに的を得ている。

日本にいるとやはり、”これはすべきでないかな”、”これはこうすべきかな”と、自分の気持ちよりも社会から期待されている規範をまずは考えて行動することが普通になってくる。

これをソツなくできる人もいれば、とても苦労したり、どうしても納得できない場合もあると思う。

けれども西洋圏にいると、そんなことを考えずに、感じたままに生きられるし、そのように生きても誰にも咎められたりしない。

集団の中の一人として生きるのか、個人として生きるか、といった文化の根底の違いから生じる生き辛さなのか。

そういった部分が、日本生活約10ヶ月の夫に少しずつ見えて来たようだ。

ロゼを片手に調子良く語ってくれた夫。何だかんだ言いながらも、今は横でせっせと漢字の勉強をしている。よしよし(笑)。

 

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