サイトアイコン ロンドンの色・パリの味

フランス的な生き方

フランス人女性は、何かとそのファッションセンスとスタイルの良さ、美貌、そして、生き方の格好良さで世界から注目されている。

確かに私もパリに来たばかりの頃は、パリジェンヌがみ〜んなファッショナブルで美しく見えた。

顔の作りも美しいけど、ナチュラルメークの感じとか、シックなファッションとか、そしてスタイルの良さには感銘を受けた。フレンチ料理はバターを始めとした乳製品が多いし、スウィーツもとっても美味しいし、みんなよく食べているイメージだけど、確かに太っている人は少ない。何か秘密があるに違いない!と気になるところだけど、外見の格好良さはここではおいといて、今日はフランス人的生き方について気づいたことを書いてみようと思う。

フランス人的生き方と言われて、まず思いつくのが、彼女たちはやっぱり自由を謳歌している印象を受ける。ここで言う”自由”は例えば、他者からの干渉の自由(解放)。フランスではよくも悪くも他者に対してそれほど関心を持っていないし、干渉をしない。なので、他人が何を言おうと、何をしようと、”ふ〜ん、それで?”という感じ。”人は人、自分は自分”なのだ。他者の意見や評価を意識することなく、自分がいいと思えばする。自分の信念を貫き通しているように見える。他者との距離の置き方が上手なのかもしれない。なので颯爽としていて、ファッションばかりでなく、生き方に関してもそれぞれが自分のスタイルを持っているように見える。

それから、フランス人からはあまり”我慢をする”、”無理をする”とか、”自己犠牲”といった概念は見当たらない。自分が楽なように、やっぱり自分が思うまま、つまり”自由”に思考し、行動している。”しなければならないからする”ということはないのだ。”したいからする”のだ。裏を返すと確かに自己中心的に映るけど、みんながそうだからたぶん周りがそれによって振り回されたりもしないのだ。私なんかは”日本人”なので、相手に合わせようとしてしまい、時々、仏人の友人たちから”これってもしや私、振り回されてる”?と感じることもあるものの、まあいいか、とあまり気にしないので、それで友人関係が壊れることもない。

フランスでは一般的には上記のように、それぞれの信念のもと人々は行動をしているようなので、他人と比較して、”なんで自分だけ我慢しているのに”とか、”あの人だけ勝手に行動してずるい”とか、そういった僻みや不公平感のような負の感情はあまり感じないようだ。これは例えばバカンスに関しても同様。みんながバカンスを楽しむ権利があるので、休暇を取りにくいな、悪いな、といった感情はないのである。そしてみんながお互いの休暇を尊重している。

こうして自由に好きな様に生きられるのは、人を集団の一部として見ていないからだと思う。まさに個人主義というヤツだ。だから、生きやすい、という感覚は確かにあると思う。

それからもう一点、顕著なのは、お金が生活の中心ではないこと。お金を持っていることをそれほど重要視していないような印象を受ける。これはロンドンがかなり資本主義的で、お金の匂いがプンプンしているなあと、こっちに来てからとても強く感じたので、やっぱりお金に対する意識にはパリとロンドンではかなりギャップがあると思う。

フランス人は生活を楽しむのに、お金をそんなにかける必要はないと感じている様子。これは、フランス社会のあり方が少々社会主義的なところに起因しているのだとは思うけど、そういう意味ではお金の不安からの自由(解放)というのもある気がする。仏人の友人と会うときは、もちろんレストランに食事に行くこともあるけれど、時々、スーパーでパンとハムとチーズを買って、サンドイッチにして公園で座って食べることもある。実はこれとってもフレンチスタイルなのです!始めは正直驚いたけど、何だか新鮮だし、シンプルでいいな♪ と思ったりもする。

そしてもちろんパリはアートの街なので、至るところで無料の展示会があったり、コンサートがあったりするのです。なので、お金をそれほど持っていなくても芸術・文化に触れる機会は多くある。これはとても良いことだなと思います。

こんな感じで、フランス人たちは、食やアートを楽しみながら、自分らしく、”自由”に生きているのであります。

さすが、”自由”、”平等”、”博愛”の国。

今日は残念なことに、テロの恐怖により”自由”がある意味脅かされている感は拭えないけれど、また近い将来に、ベル・エポック(美しきよき時代)が来るといいなあと心から思うのです。そしてフランス的生き方からは学ぶ部分も多いなとつくづく思うのであります。

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