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外国人から見た日本のワーキングマザーと女性の生き方

昨日は冷たい雨がシトシト降る一日でした。

数か月ぶりに着る薄手のコートになぜだかテンションが上がってしまいましたが、こんな切なげで哀愁漂う秋の季節が意外と好きだったりするママンです。

 

さて、先日投稿させていただきましたアンケートですが、続々と回答やコメントをいただいております。心から感謝致します。本当にどうもありがとうございます♡ まだオープンにしていますので、ご回答、コメント等、ウェルカムです!

今週は仕事で、ある製品の製造ラインを見学に行ったり、展示会に行き市場の動向を調査したりと、多くの動きがあり、とても学び多き毎日でした。

世の中はまだまだ知らないことだらけなので、こうしたちょっとした学びが私に生きるエネルギーを与えてくれているように思います。やはり何か新しいことを学んだり、知らない世界を垣間見たり、そして新しい人と出会うことは、人生に彩りを与えてくれ、同時に意義を見出してくれると改めて感じています。

また、金曜日はランチタイムに、恵比寿にある日仏会館で、日本のキャリア女子(サラリーウーマン)の現状と彼女たちのワーキングマザーとしてのストラテジーについてのフリーセミナーがあったので、是非、外国人研究者からみた日本の現状とご意見を聞いてみたい!と思い、参加して来ました。

プレゼンターは早稲田大学教授のアメリカ人女性。

とある日本の大企業に勤める10数人の女性を2003年より、2年に一度ほどインタビューをして現状や心情を調査している、とか。

セミナー自体は英語で行われていたのですが、日仏会館で行われていたこともあり、視聴者の大半は在日フランス人女性(学生も多くいました!)、そして数名の男性方。

プレゼンターの女性は日本在住25年とのことで、日本のことをよく熟知していらっしゃいます。私を含めた多くのアラフォー、アラサー世代の女性が今まさに生きている現状を、外国人研究者の目から(外から)冷静に見て分析してもらい、語ってもらっているということが、何だか新鮮で非常に興味深いセミナーでした。

また、多くの視聴者(フランス人女性)からのコメントや質問も面白く、”どうして日本人はナニーや家政婦を雇わないのか”、とか、”自分の家は、夫が子供を保育園に迎えに行っていたら、周りの母たちから、”あらまあかわいそうな旦那さん”と言われて惨めな気持ちになった”、とか、”日本はおもてなし信仰が強すぎて自分の首を縛っている。過度のサービスは必ずしも必要ではない。その辺りを変えていかないと、仕事量は減らず、”時間的制約のある女性”が不利を被り続けると思うが。”とか、そんな意見が色々と飛び出し、日本人の私としてはとても興味深く聞かせていただきました。

教授の方もおっしゃっていましたが、日本は他のどの先進国とも違い、なかなか女性の社会進出が進まず、女性管理職の割合も他国に比べると圧倒的に少ない(2017年は女性管理職の割合は世界114位だそう)。もちろん、例えば20年前に比べたらそれでもかなり前進はしているようですが、ペースが圧倒的に遅いとか。

というのは、やはり日本では”Social Norm"(社会規範)が女性の社会進出を阻んでいる一つの大きな要因だそうです。

例えば女性はこうすべき、男性はこうすべき、とあるべき姿、理想の姿が固定観念として植え付けられていて、そこから外れると、”あそこの家はひどい”、”夫がかわいそう、子供がかわいそう”となってしまう。

”女性としてこうすべき”というのがあまりに強いため、家政婦さんを雇えない(家事代行を使ったら周りから白い目で見られるとか)、となると家事や子育てに関して全て自分で抱え込むことになってしまう(男性には元々期待していない女性が多い)。

そうすると、やはりフルタイムで働くと大変だから時短にしよう、パートタイムにしよう、いやもしくは仕事を辞めよう、いやいや、そもそも結婚して子供を産むのはやめよう!となってしまうのも自然な流れなのかもしれません。

また、男性としても、女性の理想像というものがあり、女性はサポートでいればいい、あまり野心的な女性はいやだ、といった意識が未だに根強く、女性は期待されるイメージから遠ざかってしまうのを恐れている部分も多いとか。

確かに、私は海外で多くのキャリア志向の日本人女性を見てきました。日本にいるとある意味”怖い”女として扱われてしまうけど、海外にいると普通であったりむしろ尊敬されるのでいやすい。日本は女性としてキャリアを追求すると、プライベートの生活(家族を持ったり、趣味に生きたり等)を諦めざるを得ないような環境だから女性にとっては難しい、と言っている方も多くいました。

私自身も、今日かなり女性が働く環境は改善されているとは言え、やはりフルタイムで企業に勤めることを躊躇している自分がいます。

それはやっぱり家のこと、子供のことが回らなくなり、会社と家と両方からの責任とプレッシャーの重さに耐えられなくなり、生活がとてもストレスフルになることが目に見えて想像できるからです。

気持ちとしてはそろそろ100%以上仕事に集中したい!と考えてもいるのですが、そのためには、家の環境を整える必要があり、やはり核家族というのはある意味限界が来ているのではと感じてしまうのです。

核家族でやっていくのなら、ママンファミリーがロンドンでやっていたように、フルタイムの専属ナニーさん(お手伝いさん)、もしくは、アジアの国々でよくあるような住み込みのお手伝いさんが必要と感じるほどです。

どんなに環境が整っても、母であることから、様々な心配事や責任からは逃れられませんが、少なくとも、家事に時間を使う必要はなくなるし、子供たちの安全は確保できるわけです。となると気分的には、断然楽になるし、その分の時間とエネルギーを仕事に費やせるわけです。

と考えると、今後はもしかしたら2世帯家族や、家政婦等の専属お手伝いさんの需要が増えるのかもしれません。

どちらにしろ、Social Normという概念を変えるには、長いなが~い時間がかかるような気がします。

これから益々在日外国人が増え、様々な価値観や思想をもった人が増え、多様性が増すと、伝統的な社会規範が機能しなくなり、よい意味では、女性にとって、社会(男性)が作った”理想像”に縛られることなく、もっと自由に楽に生きられるようになるのかもしれません。

支離滅裂になってしまいましたが、色々と考えさせられるとても興味深いランチタイムセミナーでした!

 

 

 

 

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