サイトアイコン ロンドンの色・パリの味

”ママ”の世界、”キャリア”の世界

昨日は、一日のうちに二つの全く違う世界にどっぷり浸かった。

一つは”ママ”の世界。

もう一つは”キャリア”の世界。

ママの世界はというと、幼稚園ママさん&子供たちとで、おやつタイムにハロウィンパーティーをした。

有志で企画してくれたママさんたちがハロウィングッズを用意してくださり、みんなでお部屋の飾りつけをしたり、各々が用意して来た”Trick or Treat"用のお菓子をまとめたり、子供たち用の仮装グッズを準備した。

ママンも腕を振り絞って(笑)、ママさんたち用のおやつとしてマーブルケーキを焼き、イギリスとフランスで調達していた男の子用の仮装グッズをいくつか持参した。

子供たちを幼稚園にお迎えに行き、そのままパーティー会場にてママさんたちとのたわいもない会話&アフターヌーンティーを楽しんだ。

子供たちの笑いが蔓延する”のんびり”した、”癒される”空気に包まれたひととき。

まるで世の中の動きや、政治・経済、グローバル化から乖離された(おっと、ハロウィンはグローバリゼーションの賜物か笑)、世界。

子供と一緒に”平和”な”楽しい”時間を共有できる幸せ。

夜。

ロンドン勤務時代の同僚(というか大先輩!)が一時帰国するとのことで声をかけてくださり、彼女と彼、そしてその友人たちが大集合し、居酒屋でお座敷を囲んだ。

ここは、昼間のハロウィンアフタヌーンティーとは打って変わって、バリバリ金融キャリアな世界。

お口の中でとろけてしまいそうな美味しいマグロ料理各種をいただき、日本酒や梅酒を堪能しながら、イギリスの経済事情、仕事、日本のキャリア女子事情について盛り上がり、また、新たな出会いを楽しんだ。

こうして二つの異なる世界を一日のうちに体験し、同じ”女子”の人生とは言え、主婦になるか、キャリアを選ぶか(続けるか)で、生活、そして世界が大きく違ってくることを実感した。

主婦の世界は、”安心”で、”スロー”で、現実的(生活感があり)で、ある意味”地味”で小さな、けれども平和な世界。

もちろん優雅で華やかな奥様たちもいる。けれども、どんなに優雅な生活をしている裕福な旦那さんの奥様たちも、金銭的に自立していないということと、職業がない、という部分で、生活していくことを自分以外の人に依存しなければならなく、やはり精神的な自由はない。

一方、キャリアの世界は、”競争”に満ちていて、”スピーディー”で、自己実現的要素があり、ある意味”華やか”で大きな世界。けれども同時に”ストレス”にも満ちている。

まるで、”田舎”と”都会”のような差がある。

こんな二極化した世界に振り分けられるのだ!

もちろん両方の世界を毎日少しずつ行き来することもできる。これがまさにワーキングマザー。

ただ”ワーキング””マザー”にもそれぞれ度合いがあり、”ワーキング”ありきで”マザー”な場合と、”マザー”ありきで、隙間時間にお小遣い稼ぎ程度に仕事をしている場合とでは、これまた随分異なる。

どちらにしろ、両方の世界を味わうことができても、1日24時間という限られた時間の中では、両方を”フル”に堪能することはできなく、両方を”それなりに”味わう、ことしかできない。

キャリアを重視すればするほど、”ママ”であることが多少ないがしろになるし、”ママ”を重視すればするほど、キャリアは多少ないがしろになる。

両方をうまくバランスを取りながらこなすことはできるかもしれないけれど、”完璧”にこなすことはできない。

一日のうちに両方の世界に身を置き感じられたことは、”キャリア”組の方が、自信があるように見える、ということ。おそらくそれは自分の足で立って生活をしている、という自信と、仕事という役割を通して社会に貢献している、貢献できるスキルがある、という自信なのかなと感じる。そういう意味での”余裕”のようなものを感じ取ることができる。

一方、ママさんたちからは、子供のそばにいられる、子供の教育をきちんとしている、という意味での誇りのようなものを感じられる。

ママンはというと、やはり根っからのキャリア組なのかなあと改めて感じさせられた。仕事をしていたいし、外の世界とつながっていたいし、自分の成長を感じていたいし、刺激が欲しいのだ。

こうしてみると、自分は男性的要素が強いんだろうなと思ってしまう(笑)。

でも同時に、過去は”良妻賢母”に憧れていたママン。古風な部分も多少あり、やっぱり家のこともある程度ちゃんとしなきゃとか、子供のそばにいてあげるべきかな、と揺れてしまうことも多く、実際は宙ぶらりんなのだ(笑)。

というわけで、出産を機に、女性の生き方を二分してしまう、それぞれの世界。こっちにいるとあっちが良く見えて、あっちにいるとこっちが良く見える。選択肢が多くあるからこそ、複雑な母の立ち位置なのであります。

 

 

 

 

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