イスラム文化については、パリに行くまでほとんど触れたことがなかった。

触れたことがないばかりか、イスラム教についても、キリスト教と兄弟宗教(双方ともユダヤ教から派生)であり、ムハンマドという預言者を称え、「コーラン」を聖書とし、女性は髪の毛をスカーフで覆い隠し、豚肉を食べてはいけない、、、といった知識くらいしかなかったのだ。

ところがフランスに渡ってからというもの、イスラム教が急激に身近なものとなった。

というのは街中にスカーフで髪の毛を覆っている女性が溢れているし、道端でアラビア語を耳にすることも多く、会社にはラマダンをする人がいたり、仲良くなったダンス仲間や夫の友人にも北アフリカをオリジンとする人がいたりと、とにかくイスラム教・文化がすぐそこにある、という環境になったのだ。

ISやテロリストがイスラム絡みなことが多いので、イスラム教というとあまり好印象ではないかもしれないけれど、IS等はイスラム原理主義という過激派であり、ママンの友人や周りにいたイスラム教の人たちは、普通に、知的で優しく面白く、いい人で、もちろん過激派とは相容れないし、彼らも過激派を強く非難している。

それはさておき、パリに住んでいた頃、モロッコに旅行したことがあるのだけど、初めて現地のモスクを見学し、その神秘的な雰囲気と荘厳さ、美しさに圧巻。強烈に魅せられたのだった。

あの何とも言えない、神聖な崇高なそして神秘的な雰囲気。

上品で美しいモザイクや装飾。

超越的な何かを感じられるような荘厳で崇高な空気に満ちている。

入口に立っていると、中に吸い込まれていくような見えない力を感じる。

中に入ると、高い天井をずっと眺めていたいような、静かに黙とうを捧げたいような、不思議な落ち着きを感じる。

神聖な場所の持つパワーというのはとてつもない。

こうしてモロッコのモスクに感動し、パリに戻りパリのモスクへも行ってみた。

中には入ったことがないけれど、これまた美しい外観で、やはり神秘的な雰囲気を醸し出している。

敷地内にはレストランとハマム(蒸し風呂のようなもの)があり、そこには何度がお邪魔していた。

レストランでは素敵な内装(イスラム装飾)の中、クスクスやタジンといった北アフリカ料理を楽しむことができる。また特にママンが好きだったのは、ミントティー。たまらなく甘いのだけど、たまらなくおいしいのだ♡ たっぷりのナッツとはちみつでできたアラブのスイーツと一緒にいただくのもまたいい♪

あのエキゾチックな空間にいるだけで何だか気分が高揚するのだ。

欧州人には美容エステのような感覚で使われているモスクのハマムにも何度か行った。やはりパリジェンヌにも大人気なようで、平日の昼間に行ってもすいていたことがなかった。

建物が若干古いので、潔癖症の方にはあまりおすすめできないけれど、これまた神秘的な雰囲気を味わいながら体のケアをするにはもってこいのスポット!

ハマムだけでもよし、マッサージやゴマージュ(垢すり)込みのセットメニューを楽しむもよし。

ゴマージュでは、サボンノワール(黒の石鹸)と言わる黒オリーブで作らた石鹸を使って、アラブ人マダムに体中の垢すりをしてもらえる。

水で流すと不要な角質が取り去られ、なめらかでしなやかな肌になれるのだ!

イスラム女性が実はとても官能的であることと、こうしたハマムの習慣が浸透していることは密接に関わっているのかもしれない、と密かに思う。

さて、こうしてイスラム文化を欧州生活を通して身近に感じていたので、東京にモスクがあると知った時には、是非その建築を見てみたい!ということで、先日代々木上原にある東京ジャーミイに行ってきた。

閑静な住宅街の中に突如として現れるモスク。

その異国情緒溢れるモスクはやはりとても美しかった!

東京ジャーミィはどうやらトルコ文化センターとも機能しているようで、室内にはトルコ国旗が掲揚されていて、トルコ人が流暢な日本語でトルコと日本の交流についての説明をしていた。

礼拝堂の中に入るには、靴を脱ぎ、女性は肌や髪の毛を布で覆って入らなければならない(布は貸出のものがありました)。

天井装飾の美しさには特に目を見張る。

うわ~!とつい声を漏らしてしまいそうな壮麗さ、美しさ、そして華やかさ。

繰り返される日常に飽きてしまったり、疲れてしまったときに、行ってみては?イスラムという異国情緒を味わい、イスラムの世界観を発見し、そしてモスクの美しい建築と装飾を堪能する。少しばかり癒されるのではないかと思います!

ちなみに東京ジャーミィに興味のある方、詳細はキナリノのこちらの記事をどうぞ!

 

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