パリやロンドンでは、あらゆる場面でドレスコードがあるように、”ファッション” というものの重みを学びました。

日本でも”ファッション”は女性としては美容と並ぶくらい注目度の高い話題ではあるけれど、欧州のそれは、単に流行りのファッションといった”ファッション”ではなく、どういった場面でどのような服に身を纏い、どのように自己演出をするか、といった”ファッション戦略”なるものを学んだ気がします。

どんなファッション戦略かというと、その①、TPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)に合わせること。

これは日本以上に欧州人は意識していると感じる。

おそらくアメリカやオーストラリアのように職場であってもカジュアルなファッションへの許容度が高い国とは対照的に、欧州では、スマートにきちっとした品のあるスタイルで職場に行く人が多いように思います(日本も完全に後者ですね!)。

ロンドンやパリといった都市では、男性は日本と同様スーツ姿が主流。女性は、パンツスーツやワンピース、タイトスカートにヒールといったように、日本以上にオフィスウェアに”プロフェッショナル感”、というか、”カチッと感”が求められていたように感じます(日本はみんなキレイ目だけど、割とカジュアルスタイルの許容度も高いように思います)。

一方、週末になると、だらっ~~~。ここまで変わるか!というくらいに、一気にだらだらモードで、穴の開いたジーンズやヨレヨレでぶかぶかのセーターをそれなりに格好良く着こなしているパリジェンヌやロンドナーが巷には溢れていました。

そうそう、オンとオフのファッションの差が激しい(時々同じ人とは思えないほど変わって見える女子たちもいました)!

でも、ママンはそのメリハリが好きで、そういった、平日は”できる女”的ファッシン、週末はヒッピー的な装いに身をまとう、とある女性上司に密かに憧れてもいました。

ママン自身も、その時のライフステージや職業によりファッションも七変化しました。

パリに渡った頃は、貧乏旅行から抜けられず、どちらかというとカラフルで、アーティスティックなヒッピーファッション。

また、日本にいた頃は、割と体のラインを隠すファッションが主流(今でもそうですね!)だったので、何となく隠さねば!という意識が勝ち自分もそんなファッションを選んでいましたが、パリに行ってからは、体のラインを綺麗に出し、フェミニンでスタイリッシュで素敵な女性を多く目にしていたことから、女性性を上手くファッションに活かすことに憧れを抱くようになりました。

旅行会社に勤め始めてからは、ZARAやMANGOで入手する無難で割と安価で割とスタイリッシュなオフィスファッションをしていました。

その後働いたヘッドハンティング・リクルート系会社では、シャンゼリゼにあるオフィスという土地柄、ラクジュアリーなオフィスビル、そして大使館や経済交流会主催のイベントやパーティーに参加したり、高級カフェやレストランで食事をする機会も多々あったことから、仕事のある平日は、できる限り品のある、そして時には華やかさがあり、優雅にも見えるようなファッションを選ぶようになりました。

当時はまだ若く、収入もたかが知れていたので、よいもの(高めのブランド)を安くセールやアウトレットで買っていました。やはり、値段の高さと質の高さは比例関係にあることが多いようで(じゃなきゃ困っちゃうけど涙!)、あれから10年ほどたった今でも、当時奮発して購入した洋服が今でも普通に着られるものがいくつかあるのです。

場の雰囲気にファッションを合わせる、ということは大切です。

場の空気に馴染む、というのはある意味、他者をリスペクトしていることに繋がる、といった空気感を欧州では学びました。

もしかしたら、TPOというのは、キリスト教、教会へ行く習慣と神様に会いに行く時の恰好、神様をリスペクトした正装、という考え方が代々伝統・習慣として継承されていること関連しているのかもしれない、なんてふと考えてみました。

ママンの場合は、時と場ももちろんなのですが、場面に合った、もしくは場面に活かせる服装ということについても考慮したりします。

ロンドン在住時代、MBAの論文提出も終わり、無事就職活動を始めた頃、たまたまLinkedin経由で声をかけていただいたリクルートの会社(人材紹介)の面接に行ったときのことです。

会社のサイトを見ると、確かにちょっとモダンで個性的でオシャレな会社だなーというイメージはあったのですが、リクルートはリクルート、ということで、クライアント企業や職探しをしている候補者に会うことが日常茶飯事の仕事なので、一応きちっとした無難な恰好で行こうと思い、黒いかちっとしたワンピースとジャケットという恰好で面接に挑みました。

ところが会社に着いて、出迎えてくれた女性は、刈り上げヘアに、右半分だけが長髪。半径1センチくらいありそうな穴の開いたピアスを両耳にし、鼻にも小さなピアス。

オフィス内の一面の壁にはビーチリゾートの絵。そのビーチな壁の前に並ぶビーチチェア。奥にはコーヒーやお酒が飲めるバーのようなカウンターが。。。

一瞬ここはどこ?と凍り付いてしまったママン。

ITやスタートアップ系のクライアントへの人材紹介がメインだったようで、そんな”突飛”な若者に溢れたイケイケな雰囲気。

明らかに場違いな私。

面接官のパンクガールチックな女性も、”あ~、やっちゃった、、、”的な反応を隠せず、少しばかりこれまでの経歴を話ましたが、”そうね、あなたはシティーの金融業界の方が向いてそうね!”と言われて、あえなく面接が終了しました。

逆に、その後、上記の面接時と同じ服装で投資銀行での面接。

好印象を持っていただいたようで、採用が決まりました。

その時に改めて感じたこと。

たかが服装、されど服装。

やはり人の印象を大きく決める要因であることは間違いないし、その場に合った、その空間・空気に合った服装というのはとても大事です。

戦略その② 自己演出をする

ロンドンではシティーにある投資銀行勤めだったので、やはりきちっとした格好は必須でした。

金融業界では、信頼できる人、きちっとしている人、という印象を与える必要があるので、下手に煌びやかだったり、だらけたスタイルではなく、スーツではないにしても、それなりに見えるオフィスレディー的な恰好をして、そのように自己演出をしていました。

また、周りに男性の多い部署にいたときは、なるべく柔らかいイメージの印象を与える恰好を合えて選んでいました。というのは、ダークカラーのスーツに身をまとう男性ばかりがゴロゴロいると、何だか空気がどんよりしてしまう気がしていたので、そこにあえて”華”を与えんばかりに、少し女性的な(対等に見られたいし扱われたいので、いやらしい意味での女性的ではありません(笑)!)、服装を選んだりもしていました。

女性の多い部署では、皆さんとっても華やかでしたが(時にはここ、銀行?って思うくらい笑)、それに合わせてママンも7,8センチありそうなヒールを履いてみたりもしていました。

時々、日本の本社から来られる上層部の方々との会食にご一緒させていただく時には、会場になるレストランの雰囲気に合った洋服や、パンツスーツ等よりも、ワンピースといった華やかな恰好をして出かけていました。もちろん自己満足ではあるのですが、周りも女性がその場に相応しいファッションをしてくれると喜んでくれるような気がするのです。

という風にして、欧州での生活を通して、ファッションの重みと、ファッションを楽しむ心の余裕、そして、女性性を生かしていいんだ!ということを学んだ気がします。

今でも、仕事で都心部の素敵なエリアに行くときは、自分の持っているワードローブの中から一番素敵なものを着ていこう!など日々アレンジを楽しんでいます。

やはり素敵な恰好をすると、素敵な自分になれる気がして、それだけでもウキウキ楽しいし、胸を張って歩ける気がして、一瞬だとしても、自分がアップグレードされた気になれるのです。

と思うと、やはりファッションは侮れません。

自分が素敵だと思ったファッションに身を包んでいると、やはり外からも素敵に見えるのか、”素敵な女性”として扱われるような気もます(ただの勘違いじゃないといいけど)。

なので、自分を変えたい!と思っている人がいたら、内面を変えるのは非常に時間がかかるので、まずはファッションを変えて、気分を変えてみる、違った自分、素敵な自分を演出してみるのもいいのかもしれません。

すみません!気づけば3000字を超えていました!何て長文!お時間のない中最後まで読んでくださりありがとうございました♡

 

おすすめの記事