この間ふと、そういえばパリにいた頃はどんな週末を過ごしていたのだっけ?と当時の写真を見ながら思い出してみた。

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まだまだ夫もママン自身も初心で、小さなお兄ちんを抱えて、小さなでも大好きなアパルトマンで愛に溢れた生活をしていた、ような(それとも都合よく甘い思い出しか残っていないのか?!)。そう、あの日々のあの甘い感覚が蘇って来た!今となってはぼくちんが二人になり、私たちも日々の仕事や生活に追われ何だかその初心(ウブ)な感覚を忘れていたけれど、そうそう思い出した、あの感覚!何だか新鮮で、ピュアで、現実味がなくて、希望に溢れていて、あたたかくって、ん〜懐かしい? 恋する乙女の感覚??

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さて、そんなママンたちのパリでの週末はやっぱり甘い生活だったと思う。

まず土曜日の朝。パパが小さなお兄ちんを連れて近くのおいしいパン屋さんで、焼きたてのクロワッサンとパンオショコラを買って来る。そしてついでとばかりに、当時はよくパン屋さんの前にあるお花屋さんで様々なお花を買って来てくれていた。

その間にママンはゆっくりとベッドから起き上がり、コーヒーを沸かし、グレープフルーツを切り、ヨーグルトを出し、テーブルに並べて、小さなお兄ちんとパパが帰って来るのを待っていた。

彼らが帰って来た後は、まずお花を花瓶に入れ、コーヒーをカップに注ぎ、そしてゆっくりとサクサクのクロワッサンを食べる。それが土曜日朝の日課だった。

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その後は小さなお兄ちんを連れてみんなで屋内プールに行ったり、ママンは家でお留守番をしお掃除をしたり、買い物をしたり。。。午後は大抵リュクサンブール公園まで歩いて行き、公園内をお散歩するか、エッフェル塔の辺りまで足を延ばすか、もしくは友達カップルにお呼ばれされたり、招いたり、または車で郊外まで繰り出したりしていた。

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公園や街中をお散歩する時は、必ず休憩にどこかのカフェに入り、カプチーノやショコラショー(ホットチョコレート)を飲みながらカフェの雰囲気を楽しんでいた。

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夕方、家路に着き、ママンもしくは夫が夕食の準備をし(後片付けは夕食を作らなかった方の担当!)、お兄ちんをお風呂に入れ、寝付いた後は二人でソファーでくつろぎながら映画やドキュメンタリーを見ていた(もちろん途中で眠りに落ちることが通常で、最後まで観れたことは数えるほどしかない)。

そして日曜日。

日曜日はフランスではお店が閉まるので、買い物を楽しむどころか食品の買い出しすらできない。なので、フランスでは日曜日は完全に休む日。家族と過ごす日、という認識があるようなのです。

午前中は近くのマルシェ(市場だけは日曜日午前中にも開催される)に繰り出し、お昼は夫の実家へみんなでランチをしに。

夫実家には、夫のおじいちゃんおばあじゃん、そして弟とその彼女が決まって集まる。そして12時から3時過ぎまでなが〜いランチをするのが彼らの典型的な日曜日。また時には3時頃から近所の家族や友達までもが集まって来ることもある。この日は毎週のごとく、夫のおばあちゃんとママが、とっても美味しいそしてボリューミーなフレンチ(時々イタリアン)な家庭料理を振る舞ってくれるのであります。

もちろん美味しいお食事を用意してくれるのは大変有り難いし、家族との時間はとっても大切だというのは理解している。けれど、時々、”毎週お決まりパターンとして行かなくってもいいでしょ!”と不満をぶつけていたのも事実。時には家族水入らずでどこかに行きたいし、時には外食するのもいいし、時には日曜ランチは友達を招いたりもしたいのに!とあまりに夫家族に時間をとられている気がして。。。これも夫がマザコンだからか!と初めは思っていたけれど、どうやら多くのフランス人は日曜日は家族となが〜いランチをするのが日課らしい。

家族の繋がりが強いのはよいことだけど、ほどよい距離感というのも必要よね、と思いつつも、結局、ほとんどの日曜日はおばあちゃんの手料理をいただきにお邪魔していたように記憶している。

べらべらだらだらおしゃべりをしながらお食事をし(本当にフランス人はおしゃべり好きだなといつも感心させられていた!)、3時半頃、食事の残りやらパンやらお菓子やらフルーツやらをおばあちゃんが大きな買い物袋にいっぱい詰めてくれ、ありがたくいただいてうちに帰る。それがママンファミリーの日曜日の典型であった。ちなみにおばあちゃんは、何とも太っ腹で肝っ玉ばあちゃんです。当時80歳前後だったけれども頼もしい、頼もしい!

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今思えばそんな日々も懐かしい。きっといつの日が子供が大きくなった頃に、そんな甘い日々を思い出しながら涙するんだろうな、と思う。きっと当時生活していたアパルトマン、よく買い物をしていたスーパー、おいしいパン屋、そして例の花屋さんのある道を歩いているだけで、当時の空気が蘇って来て、そこでまた涙するんだろうな、と思う。思い出は美化される、というけど、実はそういう日常が一番心にあたたかな記憶として残るんじゃないかと思うのです。

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