パリでの子育てで一番驚き、印象に残っているのは、”お母さんとばっかりずっと一緒にいる赤ちゃん(小さな子供も含めて)はかわいそう!”とフランス人の人々に言われたことです。

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”え?何を言っているの?”と、始めは言っていることの意味がわからず、理解するのに時間がかかりました。当時の私にとっては、”赤ちゃんや小さな子供を保育園に預けるなんてかわいそう!”と信じていたからです。

なるほど、どうやらフランスでは親以外の大人や他の子供たちと接すること、要するに、小さいうちから社会性を身につけることが大切だという信念が一般的なようです。なので、一人の親とばかりいつもベタベタしているなんて、子供がかわいそう、ということらしいのです。

これには当時、結構な衝撃を受けたのを憶えています。この前、フランスでは子供は人生の一部で全て(中心)ではない、ということを書きましたが、きっとそれとも関連するのでしょう。やはり子供を、小さなうちから一人の自立した人間ととらえているような印象です。

そのような信念が浸透しているので、小さな子供を他人(ナニーさんやシッターさんなど)や保育園に預けることに対してフレンチママンたちは罪悪感があるどころか、色々な人々に触れらる機会を与えてあげてるのよ!という感覚なようです。そして子供がどんどんと自分の世界を形成していくことを見守り、誇り高く感じている、といった風です。

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私自身も小さな子供を二人育てながら感じるのは、確かに、自分や夫以外で信頼でき、自分の子供を見てくれる(わかってくる、愛してくれる)人が他にいるのはとても心強いと感じます。例えばナニーさんや保育士さんたちは、専門家なので、風邪をひいたとき、怪我したときの処置や、多くの子供の成長に関わった経験から得た知識や知恵があるので、子供の発育に関して、自分なんかよりももちろん詳しく頼りになるし、なるほど、そうやって対処したらいいんだあ、と学ぶことも多いのです。また、子供に愛情を示してあげる人が増える、という意味でも、見ていて、”ああ、この子たち、幸せだなあ”と思ったりします。

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ただ、やはり他人に命を預けているという意味では、とても重たいことであるし、必ずしも自分の信じるやり方で子育てができなくなる、というデメリットもあるので(しかもこれかなり重要ですね!)、結果的には何がよいのかわかりません。

ただ、このようにして、極端に言うと、”他人に育てられて”大人になっていった大多数のフランス人を見ると、皆、それなりにお行儀もよく、慈悲に富んだしっかりとした大人に育っているように見えるのです。

きっとどんなやり方であれ、子供に愛情を示して、安心感の持てる環境を提供することが一番大切なんだろうなあと思ったりします。あとは、それぞれ、自分にそして自分たちのライフスタイルに合ったやり方が選択できるのが一番かなあと思うのです。なんせ、親がハッピーであることが子供にとっては一番ハッピーであると思うから。子供にとってよいだろうと思ってやっていることが、もしかしたら、結果としてよくなかった、ということにもなりかねないので、まずは自分にとって、自分たちにとって、何が一番ハッピーかな、と考えて決めていくのもいいのかな、なんて思ったりします。

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フランスでの子育てを通して考えさせられたことを綴ってみました!

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