さて、前回の続きです。
そう、夫と私は歳もたったの半年違いの同学年。
育った場所と育った環境はまるで違うけれど、ある時、パリのとある大好きな場所で、ふと出会い、共にお互いを見つめ合いながら、一緒に歩んで行こうと心に誓ったのでした。
当時、ママンは25平米の一人暮らし用には割とスペースのあるアパルトマンに一人暮らしをしていました。
そのうち、夫が転がり込んで来て、自然の流れで二人暮らしが始まりました。
まだまだ社会人経験の浅い二人。
スキルもなければお金もないし、家も小さいけれど、そんなことは若い二人にとってはどうでも良いこと。
むしろ、そんな”不自由”さがかえってロマンチックな雰囲気を助長するのでした。
いずれにしろ、フランス人はお金をかけずに人生を楽しむプロでもあります。
ただただセーヌ河沿いをフラフラしたり、ピクニックしたり、ストリートミュージックを楽しんだり、野外ダンスに没頭したり、そんな”自由”をひたすら共に満喫しながら、”恋”から”愛”に育てていったのでした。
こんな風にして始まった我が夫とのパートナーシップ。
当時の夫と私は、まさに兄弟のようでした(彼を友達に紹介する度に、”なんか二人、似てるね~。雰囲気だか何かが似てる”、と良く言われていました)。確かに、一緒にいることがとても自然に感じていました。けれども、ある面では、とても正反対で、そしてとても未熟な二人でした。
夫は、家族が大切で、家族の傍にいることが大切という価値観で育って来た人。
私はというと、旅が大好きで、学生時代はカナダに留学したり、欧州の電車の旅をしたり、南米の旅をしたり、ととにかく好奇心旺盛で一つの場所にはじっとしていられなかったタイプ。
家族は大好きだけど、家族とどんなに離れても、どんなに一人で孤独になったとしても、世界を見る方に心惹かれて、家族を離れ、自国を離れ、そのように生きて来た人。
夫も半年ほどは家族を離れて島国で暮らした経験があったものの、やはり私の中ではとても保守派なイメージでした。
そんな夫としては、私のように”自由”に動き回ることに”憧れ”のような眼差しを向けてくれ、私の人生のjourneyを一緒に楽しみたい!とそんなようなことを言われたことがありました。
当時はまだ20代後半でしたが、まだ若いうちに日本に帰って、将来は日本で生活を築きたいと考えていた私。
迷いに迷いに迷った挙句、結局、彼と一緒にやっていこう!と決めたものの、そのままずっとフランスでの人生というのは、想像するだけで息が詰まりそうでした。
別にフランスが嫌だったわけではありません。
好きで飛び出したわけだし(とは言え2,3年のつもりでした)、これだけ素敵に生き生きした生活を楽しませてくれたパリという街。
そんな街で夫婦として生活できるなんて、何とも有難いことでもありました。
けれども、異国でずっと、ずっと、おばあちゃんになるまで生きていく、ということを想像すると恐ろしくて、孤独で、苦しい気持ちに支配されてしまうのでした。
なので、これはもう出会った当時から話していたのですが、いつかは日本で暮らすこと、そして、私の人生の野望として、二人で第三国でも生活してみたいということを、ずっと語り続けていました。
彼もこの私の野望には乗り気で、そのうち、それが私たちの”ヴィジョン”となっていたのでした。
一旦共通の目指す方向性(ヴィジョン)が決まると、後は自然とその方向にいけそうな機会にアンテナを張っているので、何かあれば、つかんでみる、つかもうとする、そんなことの繰り返しで、ロンドンに暮らすチャンスを獲得、そして3,4年後には念願の日本暮らしのチャンスを得たのでありました。
キャリアの面で、彼が大きく成長した節目はやはりロンドンでの3,4年間。
業界や業務はほぼずっと同じなのですが、英語で業務ができる、アングロサクソンでのビジネス文化がわかる、グローバルの舞台でスキルを活かせる、というのはやはり大きな武器になります。
パリ在住時代、私は5年ほど、人材コンサル(特に紹介)の会社に勤めていました。
そこでの経験で、労働市場で必要とされる履歴書や人物像というのがおおよそわかるようになってきたのです。
特にエンジニア系の仕事に特化していた当時勤めていた会社としては、
①エンジニア(業務経験、スキル、専門性)
②海外経験(英語圏、もしくはそれ以外での留学や仕事経験)
③ビジネススキル(MBA等)
以上の3つを網羅しているプロフィールが無敵、そのうち2点をカバーできていたらまあ良し、といった具合でした。
我が夫は、エンジニアなので、まずは海外経験値をもっと積むのが得策だと考えました。特に将来日本で暮らしたいとなると、ビジネス日本語のスキルを取得するのは莫大な時間がかかるので、まずは英語で完璧にビジネスが熟せるようになるのが優先!
ということで、ロンドンでポジションに空きがあると聞いた際には、即申込をした、というわけです。
おっと、眠たくなった来てしまいました。
まだ終わったいないので、また次回、続きま~す!
今日も最後までありがとう💛