イギリスとフランスのワーキングマザーたち

今日はそれぞれイギリスとフランスでワーキングマザーが一体どのように仕事と母業をこなしているのか、どのようにワークライフバランスを保っていたのか、について観察したことをまとめてみようと思う。

まずはイギリス!

ママンが働いていた会社の部署にはワーキングマザーが5人(ママンも含めて)いた。

一人は社内での地位もかなり高い2児の母。どうやら旦那さんもかなりの"successful business man"のようで、郊外にマンションと呼ばれるお屋敷を持っていて、そこに住み込みで子供のお世話(宿題など)をしてくれる学生さんと、別途お手伝いさんを雇い、家事・子育をまわしていたようだ。海外出張等も頻繁にあるので、そういった地位のワーキングマザー宅には大抵、住み込みのお手伝いさんがいるようだ。

二人目。彼女はシングルマザー。子供のお世話は元夫と1週間おきに交代。また実家の近くに住み、祖父母がいつでもサポートできるような体制を整えている。通常はアフタースクールナニー(放課後のシッター)に子供のお迎えや宿題を依頼し、時々実家のご両親にも見てもらったりしている様子。学校のハーフタームや長期休暇の際は、元夫や両親の力を借りてどうにか子供のお世話をまわしているらしい。家事については週2でクリーナーさんに来てもらっているそうだ。

三人目。彼女の場合は、自分の方が旦那さんよりも稼ぎがよいので、子供が生まれてからは、旦那さんが会社を退職し、”フリーランス”として働くことを選択。子供の世話を見つつ、自宅で働いているとのこと。平日の昼間は多くの”ママ”たちと近所のプレーグループで子供たちと歌を歌ったり遊具で遊んだりしているようだ。話によると、最近はプレーグループに”パパ”の姿もぼちぼち増えて来たとのこと。

四人目。小さな2児の母。イギリスでは子供を二人産むと会社に復帰しないケースが多いらしいけれど、彼女は ”私は家で専業主婦なんて絶対にできない!仕事をしていないと自分がダメになっちゃう!”と言っていた。というわけで専属ナニーさんを雇い、彼女に子供たちのお世話と家事全般をお願いしているようだ。

イギリスでは1、保育園の数が足りない、2、超高額な保育料(フルタイム(8時から18時)の公立の保育園でおよそ月20万円)、3、ナニーさんの給与も高額(最低賃金が時給約1100円なので、例えばフルタイムで朝8時から6時でお願いすると1日約11000円)ということで、子供が生まれたら、産休から復帰せずに離職するケースがかなり多い。実際、子供が二人いて仕事をしている、と言うと結構驚かれていた。それでも職場復帰するワーキングマザーたちは、給与の大半がチャイルドケアに流れてしまうことを諦め、それでも仕事をすることに何らかの意義を見出して働いていたる、もしくは相当高額な給与をもらっているため、チャイルドケアが占める割合が比較的少ない場合。

どちらにしろ、あまりチャイルドケアが充実していない(ユーザーフレンドリーでない、といった方が正しいかもしれない)イギリスでワーキングマザーをすることは結構ハードルが高い、と感じていた。周りのワーキングマザーたちも、日々どうにかこなしている、と言っていてやはり大変であることを伺わせる。

さて、次はお隣の国、おフランス。

フランスではご存知の通り、母親が働き続けるのは当然のこと。なので子供が二人いようが三人いようが、職場復帰するのは当たり前で、自然なことと受け止められている。

どうしてフランスではそれが可能なのかと言うと、保育園の数は実際足りていないけれども、イギリスで言う”ナニーやベビーシッター”のシステムが充実している。専属ナニーがいる場合もあれば、3人の子供を家で預かってくれる”アシスタントマターネル”や、ナニーシェア(2家族で一人のナニーをシェアする)といったオプションがある。それから3歳児から始まる幼稚園教育は無料で、毎日朝の8時20分から16時半までが日課。また、大抵の幼稚園では朝7時半から夕方18時半まで、同じ校舎で”学童”が開かれている。これは小学校でも同様。

仕事の理由で夕方6時半にも迎えに来られない家庭の場合は、学生等のアフタースクールナニーを雇い、子供の放課後のお世話をしてもらっている。例えば、夕方4時半に学校にお迎えに行ってもらい、家に帰り、宿題をさせ、夕食を食べさせ、お風呂に入れる。全てが終了した7時半頃に両親(もしくは片方の親)が帰宅する、といった具合だ。

そして子供の世話とは別途、クリーナーさんを雇い、2日に1回くらいのペースで家全般の掃除をしてもらう。アイロンがけ、水周りの掃除、片付けなどがその仕事内容となっている。

フランス人的な発想だと、平日は仕事なので清掃ができないとなると、週末に掃除やアイロンがけをすることとなり、それで週末の大半が終わってしまう。けれどもせっかくの週末、それは絶対に避けたい、と。週末くらい、じっくりファミリーライフを楽しみだいのだ。なのでクリーナーさんというのはなくてはならない存在なのだ。

ママン自身も、ロンドンで専属ナニーさんを雇うまでは、自分の子供たちを赤の他人に預けること、そして赤の他人が自分の不在中に常に家にいること、また赤の他人に自分の家の掃除をお願いすること、なんてとんでもない!と思っていた。

けれども実際に、二人の子供がいながら働きに出る場合、現実的(ロジ面や金銭面を考慮して)には母親代わりになってくれるナニーさんを雇うしか方法が見当たらなかった。というわけでナニーさんを雇うことになったのだけれど、これがまた、一度味をしめてしまうと、やめられなくなるのだ(笑)。かな〜り助かる!

仕事で疲れて家に帰ったときに、家がきれいに整理・整頓、掃除されている爽快さ。時々アイロンがけもやってくださっていたので、週末はアイロンがけに1時間強費やす必要もない。子供たちの夕食も済んでいる!

これは日々の生活のストレスレベルをかなり軽減してくれる!と感じていた。むしろ、ナニーさんがいなかったら、これれを全て自分たちでこなしていたのか、と思うとぞっとする(涙)。

なので、やはり母親が穏やかな気持ちで仕事に出られるためには、保育園などのチャイルドケアがあることは大前提だけれども、別途、家事一般を担当してくれるヘルパーさんがいることはかなり生活を”楽”にしてくれる。しかも、ヘルパーさんはそれがお仕事なので、掃除レベルも高い!

というわけで、なぜか家政婦を雇うことを斡旋しているかのような結末になってしまいましたが、欧州で(特にフランスで)比較的母親が余裕を持って職場復帰できるのは、こうした縁の下の力持ち的な存在のヘルパーさんを雇うことが一般化されているから、というのもあるのだろうなあと思っていたのでした。

とは言え、どの国でも多かれ少なかれ、働く女性は何かとワークライフバランスをいかに保つかでstruggle(苦労している)ように見える。ママンも頑張らなきゃーと改めて思うのでした❤️

 

おすすめの記事